WHILL MODEL CRを使ってみた

かっこいい電動車椅子,というかパーソナルモビリティを作っているWHILLの研究用モデルWHILL Model CRを使ってみた感想,その他.

まず結論:普段の椅子もこれがいい.

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大人のラジコン

WHILL Model CR購入の経緯

「研究用」モデルとしてCRが出たので速攻で購入.自動運転研究では基本,車両を使って研究しているものの,実車両はちょっと試したいとかいう時に公道で実験するハードルが高い.かといってシミュレータは…と困ることが多々あり,実験で利用できるモビリティを探していて,WHILL を買おうと思っていたら,研究用モデルが出たので.

WHILLはかっこいい&安心安定感ある

自動運転研究をしていて,制御がご専門の先生方にロボット台車や改造電動車椅子を色々見せてもらうのだけど,「ものづくりLOVE人間」としては羨望と尊敬の眼差しではあるものの,やはりフルスクラッチの研究用車両だと見た目が.

HCI研究で利用するには少しギーク感が強すぎるのが難点.実験しようとすると既製品を使った方が何かとやりやすいのもある.その点WHILLは素晴らしい.

ちなみにWHILLは前輪はオムニホイールで旋回半径は小さいが,超信地旋回ではない.

WHILL Model CRの特徴

外部接続用にシリアル通信(RS-232C)のインタフェース,外部機器用にバッテリから3A取れる本体共有の電源を備え,簡単なコマンドで制御できる.それ以外は製品と同じでよくできたデザイン.様々な一般向けオプションもつけられる.

DSC_0447
ラズパイで制御

使ってみて研究用モデルとしてはマイナスというか,少し戸惑った点

  1. gitで基本的なソースの公開などはない(甘え)
  2. シリアル通信はあくまでRS-232Cであり,TTLではない
  3. RS-232Cの端子と,22.8Vバッテリー直結(?)の外部給電用の端子が一つのコネクタ
  4. ハードポイントというか,センサなど,なにかを追加するための物理的な設計が特にない

1は完全に甘えだが,最近の研究用ハードウエアは基本的なテスト用サンプルなどが公開されていることが多いので,それがないのはサクッと試してみるには少し億劫.ちなみに,

0xAF 0x03 0x02 0x01 0xAF(電源ON)

0xAF 0x03 0x02 0x00 0xAE(電源OFF)

をバイナリ通信できるシリアルターミナルソフトから送れば確認できます.(電源ONは間違ったコマンドでも,シリアルポートに割り込みがあればONになる仕様なので,OFFまでやることオススメ)

2は,私の分野だとArduinoやESP32,RasPiなどで楽しく工作!といったことをよくやるが,その時はシリアル通信といえばTTL(0-5V)かCMOS(0-3.3V)レベルが多く,-5V – +5VのRS-232Cはあまり使わなくなっているため,シリアル通信(RS-232C)と書いてあっても「どーせTTL」と思ってUSB-TTLのインタフェースを使ってコマンドを送ってみたが,当然ダメだった.なぜかUSB-RS232Cコンバータを使うという発想に至らず(多分マニュアルにRasPiの絵があったから,あるいは活線挿抜などの注意がなかったから),ソフトウエアの問題か,ハードウエアの問題かを切り分けられず若干もたついてしまった.この辺り公式サンプルがあると…

ちなみに使ったのは生協で売ってたStarTechのUSB RS232 DB9アダプタ.PL2303チップが乗ってるもの.

3は,2でモタついてる時に誤ってバッテリからきている端子とシリアルIFが一瞬接触,USB-TTLコンバータが逝った.なぜそんな小電力のものとSP3232のAbsolute Maximum Ratings以上の22.8Vという電源ラインを隣り合わせたのか.いや,自分が悪いんですが…

PCは無事でホッとして,別のコンバータでまた色々と試していたがどうもうまくいかない.そこでやっとRS-232Cコンバータを使わないと!となり,購入.しかし試すもダメ.

他に思い当たる問題もなく,もしやと思い,バッテリーの下にあるWHILLのコントローラボックスをゴニョゴニョと確認してみると,マイコン前段のSP3232(レベルコンバータ)が逝っているっぽい.ちなみにボックス開けたことがわかるようにはなっていない模様.

保証も切れているし,そもそもミス?でチップ壊して保証してくれるのか謎なので,仕方なくコンバータチップを手作業で換装.BGAとかじゃなくてよかった!コマンドを送ると無事動作した.レベルコンバータのおかげでマイコンが破壊されなかったということか?狙った設計だとしたらすごいフェールセーフ.

4は,研究用として,色々つけることを想定した構造上の工夫があるかと思いきや,特にはない.もともとある一般オプション取り付け用ポイントを明示してくれても良いのでは,とも思った.

しかし,すでに素敵なデザインのため,何かを取り付ける余地がないのかもしれない.構造も金属のフレームの周りに樹脂のガワがあるため,多少の重量物を取り付けるには,金属フレームからガワを貫いて取り付ける必要がある.金属フレームをバラすのも大変で,後から加工は難しい.見つけたポイントとしては,両アームの樹脂カバーの下に使っていないM5M6のネジ穴が2つあるところ.ここは便利な位置.

dsc_0430
見つけたハードポイント.たぶん,上側についてるアームレストをアームの金属フレームを左右入れ替えても取り付けられるように空いてる穴.ここを使うには樹脂カバーの加工が必要.

せっかくのカッコいいWHILLのデザインを損ねないようにものを取り付ける腕の見せ所ということですね.

結論としてはWHILLは素晴らしく,パワフルで使いやすいです.研究用に使うにはいくつか注意や工夫が必要ですが,それも負担というよりは「楽しめる」レベルだと思います.

 

One Comment Add yours

  1. Takebe says:

    初めまして、大変参考にさせて頂いております。

    私もWhill Modei CRにて開発を始めたばかりですが、
    通信がうまくいかず苦労しております。

    Whillの端子からRX,TXをUGREENのシリアル-USB変換ケーブルに接続して、PCのターミナルソフトにて電源OFF信号を送信していますが、反応がありません。

    注意点など御座いましたら、ご教示頂けたら幸いで御座います。
    何卒、よろしくお願い申し上げます。

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